
座りすぎは健康に悪い?長時間の座位と死亡リスクの関係を解説
仕事ではパソコンの前に座り、帰宅してからはテレビやスマートフォンを見る。
気がつけば、1日の大半を座って過ごしているという方も多いのではないでしょうか。
近年、「座りすぎ」と健康との関係について、さまざまな研究が行われています。
テレビを1日4時間以上見る人では死亡リスクが高かった
オーストラリアのBaker IDI Heart and Diabetes Instituteなどの研究者は、25歳以上の男女8,800人を対象として、テレビの視聴時間と死亡リスクとの関連を調査しました。
追跡期間の中央値は6.6年間です。
その結果、テレビを1日2時間未満見る人と比較して、1日4時間以上見る人では全死亡リスクが1.46倍でした。PubMed
さらに、テレビを見る時間が1日1時間増えるごとに、
- 全死亡リスク:11%上昇
- 心血管疾患による死亡リスク:18%上昇
という関連も認められています。PubMed
これは「テレビを4時間見れば死亡する可能性が46%上がる」と単純に因果関係を示したものではありません。テレビ視聴時間と死亡リスクとの統計学的な関連を示した観察研究として理解する必要があります。
長時間の「座りっぱなし」にも注意
長時間座って過ごすことについても、健康リスクとの関連が報告されています。
過去の研究では、1日の座位時間が4時間未満の人と比較して、8〜11時間座る人では死亡リスクが約15%高く、11時間を超える人では約40%高かったというデータがあります。DOI
現在の英国の身体活動ガイドラインでも、長時間の座位行動は健康に好ましくないことが指摘されています。
一方で、現在のエビデンスでは「1日○時間以内なら安全」といった明確な上限時間を設定できるほどの根拠はないとされています。GOV.UK
立っていれば大丈夫?
では、デスクワークをすべて立ち仕事に変えればよいのでしょうか。
大切なのは、単純に「座る=悪い」「立つ=良い」と考えることではなく、同じ姿勢を長時間続けないことです。
仕事の合間に、
- 定期的に立ち上がる
- 少し歩く
- 軽くストレッチする
- 座っている時間を少しずつ減らす
など、身体を動かす機会を増やしてみましょう。
「運動する時間」だけでなく「座らない時間」を意識する
健康のために運動しようと思うと、「30分ウォーキングしなければ」「ジムに通わなければ」と考えてしまうかもしれません。
しかし、日常生活のなかで身体を動かす機会を増やすことも大切です。
エレベーターではなく階段を使う。
少し離れた場所まで歩く。
仕事の合間に立ち上がる。
こうした小さな行動を積み重ねることで、長時間座り続ける時間を減らすことができます。
生活習慣を少し見直してみませんか?
生活習慣病の予防や管理では、薬だけに頼るのではなく、食事や運動、日々の活動量などを含めて生活全体を考えていくことが大切です。
診療をしている私自身も、仕事中に座っている時間が多くなりがちですので心がけていきたいなと思います。
まずは今日から、
「少し立つ」「少し歩く」「座りっぱなしを減らす」
そんな小さなところから始めてみてはいかがでしょうか。
