Yamamura Clinic Logo
アクセス
電話
インフルエンザ2026-10-08

インフルエンザで子どもが異常行動?薬との関係・予防法を医師が解説|龍ケ崎市 山村医院

はじめに

  • 「タミフルを飲ませると、子どもが飛び降りることがあると聞いたのですが……」
  • 「インフルエンザになった子どもを、一人で寝かせても大丈夫でしょうか」
  • 「家族がインフルエンザになったら、予防のために薬を飲めますか?」

診療の中でも、このような質問をいただくことがあります。

こんにちは。茨城県龍ケ崎市の山村医院、院長の山村麻由です。

インフルエンザでは、まれではありますが、子どもや未成年者を中心に、突然走り出したり、窓から外へ出ようとしたりするといった異常行動が報告されています。

ここで大切なのは、

「タミフルを飲んだから異常行動が起きる」とは現在も結論づけられてない

ということです。

厚生労働省は2026年度のQ&Aで、抗インフルエンザウイルス薬を服用していない場合でも同様の異常行動がみられること、また薬の種類にかかわらず異常行動が報告されていることから、インフルエンザそのものにかかった際には薬の服用の有無を問わず注意が必要としています。

今回は、

  • インフルエンザでみられる異常行動
  • タミフルなど治療薬との関係
  • 家庭で注意してほしいこと
  • インフルエンザの予防
  • ワクチンの役割
  • 家族が感染したときの予防投与

についてお話しします。

インフルエンザで「異常行動」が起こることがあります

インフルエンザにかかった患者さんで、

  • 突然走り出す
  • 部屋から出ようとする
  • 窓やベランダへ向かう
  • 興奮する
  • 意味の分からないことを話す
  • 泣きながら動き回る
  • 外へ飛び出す
  • 呼びかけに反応しない

といった行動が報告されています。

厚生労働省は、異常行動の結果として極めてまれに転落などによる死亡事例も報告されているとしています。

そのため、「熱で少しぼんやりしているだけ」と軽く考えず、特に発熱直後の子どもについては注意して見守ることが大切です。

タミフルを飲むと異常行動が起こるのでしょうか?

ここは、患者さんやご家族に最も誤解してほしくない部分です。

現時点では、

抗インフルエンザウイルス薬と異常行動との因果関係は明らかになっていません。

厚生労働省による調査では、

  • 抗インフルエンザウイルス薬を飲んでいない患者さんでも異常行動が起こる
  • タミフル以外の薬を使用した患者さんでも起こる

ことが分かっています。

つまり、

「タミフルを飲んだから異常行動が起きた」

と単純に結論づけることはできません。

反対に、

「薬を飲ませなければ異常行動は起こらない」

ということでもありません。

インフルエンザにかかったこと自体に伴って異常行動が現れる可能性がある

という前提で、ご家族には注意していただく必要があります。

異常行動はいつ起こりやすい?

厚生労働省によると、転落などにつながるおそれのある重度の異常行動には、一定の傾向があります。

特徴厚生労働省が示している傾向
起こりやすい時期発熱から2日以内が多い
年齢就学以降の小児・未成年者で報告
性別男性で報告が多い
薬との関係薬を使用していない場合にも起こる
注意期間少なくとも発熱から2日間

女児にも起こることがあります。

「男の子だけに起こる」「タミフルを飲んだ子だけに起こる」と考えないようにしてください。

具体的にはどんな異常行動がありますか?

厚生労働省・PMDAでは、次のような例を挙げています。

  • 突然立ち上がって部屋から出ようとする
  • 興奮して窓を開け、ベランダへ出ようとする
  • 突然外へ走り出す
  • 自宅から出て歩き回り、話しかけても反応しない
  • 人に襲われているような感覚を訴える
  • 突然笑い出す
  • 意味の分からないことを言う
  • 泣きながら部屋の中を動き回る

こうした行動は、ほんの短時間で起こる可能性があります。そのため、「普段はしっかりしている子だから大丈夫」と考えず、発熱直後は環境そのものを安全にしておくことが重要です。

発熱から2日間は、家庭内で事故を防ぐ対策を

厚生労働省は、自宅で療養する場合には、抗インフルエンザ薬を使っているかどうかにかかわらず、少なくとも発熱から2日間は転落などの事故防止策を講じるよう呼びかけています。

具体的には次のような対策です。

玄関や窓を確実に施錠する

玄関だけではなく、子どもが過ごしている部屋を含め、すべての窓を確認してください。

補助錠やチェーンロックがある場合には、それらも利用します。

ベランダに面していない部屋で休ませる

可能であれば、ベランダや大きな窓に直接面していない部屋で休ませます。

一戸建てでは、できる限り1階で寝かせる

万一の転落事故を防ぐため、可能であれば1階の部屋を使用します。

子どもを一人きりにしない

特に発熱から2日間は、保護者や家族が様子を確認できる環境をつくってください。

インフルエンザを予防するためにできること

インフルエンザの予防は、一つの方法だけで完全に防げるものではありません。

基本的には複数の方法を組み合わせます。

厚生労働省は、

  • 手洗い
  • 適切なマスクの着用
  • 換気
  • 十分な休養
  • バランスのよい栄養
  • 適度な湿度
  • 人混みを避ける
  • ワクチン接種

などを対策として挙げています。

インフルエンザワクチンを打てば感染しないですか?

いいえ。

これはよくある誤解です。

インフルエンザワクチンを接種しても、感染を完全に防ぐことはできません。

厚生労働省も、現在のワクチンはウイルスが体内に入る「感染」そのものを完全に抑えるものではないとしています。

一方で、

  • 発病する可能性を下げる
  • 重症化を予防する
  • 死亡リスクを下げる

といった効果が期待されています。

ワクチンの大きな目的は「重症化を防ぐこと」

「ワクチンを打ったのにインフルエンザになった」

という話を聞くことがあります。

ですが、これは必ずしも「ワクチンが効かなかった」という意味ではありません。

インフルエンザワクチンでは、

感染を完全に防ぐことよりも、発病の可能性を下げ、特に重症化を防ぐことが重要な目的

です。

厚生労働省は、特に基礎疾患のある方や高齢者では重症化する可能性が高く、インフルエンザワクチンには重症化を予防する効果が期待されるとしています。

家族がインフルエンザになったら「予防投与」という方法もあります

インフルエンザの治療薬には、感染した患者さんの治療だけでなく、状況によって発症を予防する目的で使用できる薬があります。

これを予防投与と呼びます。

たとえば、

  • 「同居している家族がインフルエンザになった」
  • 「家族に重症化リスクの高い方がいる」

などの場合に、患者さんの状態や接触状況などを踏まえ、医師が予防投与を検討することがあります。

ただし、

家族がインフルエンザになったから、全員が必ず予防投与を受ける

というものではありません。

インフルエンザの予防投与は保険適用?

一般的な季節性インフルエンザに対する予防投与は、通常、治療目的の保険診療とは異なり、自費診療になることがあります。地域によって自己負担額は異なりますので、まずはお住まいの自治体の助成額などを確認してください。

インフルエンザ治療薬の予防投与には何がありますか?

予防投与は、治療時とは用法・用量が異なります。

代表的なものを表にまとめました。

薬剤投与方法予防使用について
タミフル(オセルタミビル)内服予防適応あり
リレンザ(ザナミビル)吸入予防適応あり
イナビル(ラニナミビル)吸入予防適応あり
ゾフルーザ(バロキサビル)内服予防目的で使用される場合あり

予防投与はワクチンの代わりにはなりません

ここも大切です。

予防投与ができる薬があるからといって、

「ワクチンを打たなくても薬を飲めばいい」

ということではありません。

PMDA・厚生労働省の資料でも、抗インフルエンザ薬による予防は、ワクチンに置き換わるものではないとされています。

予防投与は、あくまで限られた状況で医師が必要性を判断して行う方法です。

基本的な予防としては、

  • ワクチン接種
  • 手洗い
  • 換気
  • 咳エチケット
  • 十分な休養
  • 体調不良時に無理をしない

といった対策を組み合わせることが重要です。

家族がインフルエンザになったら何をすればいい?

まずは慌てず、家庭内で感染を広げない工夫をしましょう。

  • 手洗いをする
  • 室内を適度に換気する
  • 咳やくしゃみがある場合はマスクを使用する
  • タオルの共用を避ける
  • 十分に休む
  • 家族にも発熱や咳が出ていないか確認する

そして、重症化リスクの高い方が同居している場合など、

「予防投与をした方がよいのでは?」

と気になる場合には、自己判断で薬を使わず医療機関へ相談してください。

インフルエンザの異常行動・予防についてまとめると

疑問覚えておきたいこと
タミフルで異常行動が起こる?薬との因果関係は明らかではない
薬を飲まなければ安心?薬なしでも異常行動は起こることがある
いつ注意する?特に発熱から2日以内
どんな人に多い?就学以降の小児・未成年者、特に男性で報告が多い
家庭での対策施錠、転落防止、一人にしないなど
ワクチンで感染しなくなる?感染を完全には防げない
ワクチンの目的発病予防と重症化予防
予防投与はある?状況により抗インフルエンザ薬を使用する場合がある
予防投与は保険?一般に自費となることがある
ワクチンの代わりになる?ならない

「タミフルを飲ませるのが怖い」と思ったときこそ相談してください

子どもが高熱を出しているだけでも、ご家族は心配だと思います。

そこに、

  • 「薬を飲ませると変な行動をするかもしれない」

という情報まで耳にすると、治療そのものが怖くなってしまうことがあります。

けれど、医学的に分かっていることと、まだ分かっていないことを分けて考えることが大切です。

現在分かっているのは、

インフルエンザの治療薬と異常行動の因果関係は結論づけられていない

ということです。

龍ケ崎市でインフルエンザについて心配な方へ

インフルエンザは、症状だけでなく、ご家庭での過ごし方まで含めて考える必要があります。

特にお子さんの場合は、

  • 高熱が続いている
  • いつもと様子が違う
  • 突然走り出す
  • 意味の分からないことを話す
  • ぐったりしている
  • 水分が取れない

といった変化を、ご家族だからこそ早く気づけることがあります。

山村医院では、山村麻由医師が患者さんのお話を丁寧に伺い、検査結果や薬だけではなく、その方の生活やご家族の不安も含めて考える診療を大切にしています。

  • 「薬を飲ませて大丈夫?」
  • 「子どもを一人で寝かせてもいい?」
  • 「家族がインフルエンザになったけれど、予防薬は必要?」

こうした段階でも構いません。茨城県龍ケ崎市・佐貫周辺で、インフルエンザについて不安なことがある場合は、山村医院にご相談ください。

よくある質問

Q. タミフルを飲むと飛び降りなどの異常行動が起こりますか?

現時点では、タミフルなどの抗インフルエンザ薬と異常行動との因果関係は明らかになっていません。薬を飲んでいない患者さんでも異常行動が報告されています。

Q. 子どもは何日間注意すればいいですか?

厚生労働省は、自宅療養の場合、少なくとも発熱から2日間は転落などの事故防止策を講じるよう呼びかけています。

Q. どんな異常行動に注意すればいいですか?

突然走り出す、部屋や家から出ようとする、窓やベランダへ向かう、意味の分からないことを話す、泣きながら動き回るなどが報告されています。

Q. ワクチンを打てばインフルエンザにはかかりませんか?

いいえ。感染を完全に防ぐものではありません。ただし、発病を抑える効果や、重症化・死亡を予防する効果が期待されています。

Q. 家族がインフルエンザになったら予防薬をもらえますか?

状況によって抗インフルエンザ薬の予防投与が検討されることがあります。ただし、全員に必要なものではなく、年齢、基礎疾患、接触状況などを踏まえて医師が判断します。

Q. 予防投与は保険適用ですか?

一般的な季節性インフルエンザの予防目的での投与は、原則として自己負担となる場合があります。