子どもの下痢・嘔吐・腹痛|水分と受診の目安
下痢、嘔吐、腹痛、食欲不振を整理し、受診の目安を案内。
こんにちは。お子さまが急にお腹を痛がったり、何度も吐いてしまったりすると、パパやママは本当に不安になりますよね。特にお腹の風邪(ウイルス性胃腸炎)などは、夜中に急変することも多く、看病するご家族の負担も計り知れません。
今日は、お子さまのお腹のトラブルについて、お家での見守り方や受診のタイミングを、医師の立場から解説しますね。
1. お腹がゆるいとき。便の様子と水分補給のポイント(下痢)
下痢は、体の中に入り込んだウイルスや細菌を、外に追い出そうとする大切な反応です。無理に下痢止めで止めるのではなく、出し切ることが基本です。
- 観察のポイント:便の色(白っぽい、赤混じりなど)、回数、そして「おしっこがしっかり出ているか」を確認してください。
- 脱水のサイン:おしっこの回数が減る、目がくぼむ、口の中がカラカラに乾いている、といった様子があれば脱水が疑われます。
2. 突然の嘔吐。慌てず胃腸を休めるためのステップ(嘔吐)
吐き気が強い時は、胃腸が悲鳴を上げている状態です。すぐに何かを飲ませたくなるお気持ちは分かりますが、まずは「胃腸を休めること」が最優先です。
- 最初の対応:吐いた直後は何も与えず、30分〜1時間は様子を見ましょう。
- 水分補給のコツ:落ち着いてきたら、経口補水液をティースプーン1杯(約5ml)から始めます。5〜10分おきに、少しずつ少しずつ進めていくのが、吐き気を再発させないコツです。
3. お腹を痛がるとき。受診を急ぐべきサインとは?(腹痛)
お子さまの腹痛は、単なる便秘から緊急の処置が必要なものまで幅広いです。特に言葉で伝えられない小さなお子さまの場合は、泣き方に注目してください。
- 注意が必要な症状:
- 激しく泣いたと思ったらケロッとする(間欠的腹痛):腸重積(ちょうじゅうせき)などの緊急疾患の可能性があります。
- お腹が板のように硬い、触るとひどく嫌がる。
- 嘔吐物に緑色のものが混じる。
このような場合は、診療時間を待たずに受診を検討しましょう。
4. 食欲がないとき。無理に食べさせなくて大丈夫ですよ(食欲がない)
「何か食べさせないと体力が落ちてしまう」と心配になりますよね。でも、急性期(吐き気や下痢がひどい時)は、無理に固形物を摂る必要はありません。
- 優先順位:**「栄養よりも水分」**です。水分(特に糖分と塩分がバランスよく含まれた経口補水液)が摂れていれば、数日食欲がなくても大丈夫です。
- 回復期の食事:少しずつ食欲が出てきたら、うどん、お粥、すりおろしリンゴなど、脂肪分の少ない消化に良いものから始めましょう。
5. 安心して受診していただくための流れと持ち物(受診の流れ)
受診の際は、以下の準備をしていただくと診察がとてもスムーズになります。
- 受付・トリアージ:嘔吐や下痢に加えて発熱がある場合は、他の患者さまへの感染を防ぐため、別室で待機していただくことがあります。
- 身体診察:お腹を触ったり(触診)、胸や背中の音を聴いたりします。
- 検査(必要に応じて):ウイルス検査(発熱がある場合:インフルエンザ、コロナ抗原検査)を検討します。
- 持ち物チェックリスト:
- 健康保険証・子ども医療費受給者証
- 母子健康手帳・お薬手帳
- 汚物(便)や嘔吐物の写真:スマホで撮ってお持ちいただくと、とても重要な診断のヒントになります。
FAQ:よくある質問(FAQ)
Q:吐いたあと水分はどうしますか? A:吐き気が強い間は無理に飲ませず、30分〜1時間ほど胃を休ませてください。その後、経口補水液を5ml(小さじ1杯)ずつ、5〜10分おきに与えて様子を見ましょう。
Q:下痢が何日続いたら相談ですか? A:ウイルス性の場合、下痢は1週間ほど続くこともありますが、3日以上改善の兆しがない場合や、水分が十分に摂れない場合は、一度ご相談ください。
Q:腹痛だけでも受診できますか? A:もちろんです。腹痛は、盲腸(虫垂炎)や腸閉塞、便秘、あるいは心のストレスが原因のこともあります。原因を特定し、安心するためにも受診してください。
Q:当日受診は可能ですか? A:はい、可能です。嘔吐が続いてぐったりしているような急を要する場合は、まずお電話ください。
Q:持ち物は? A:保険証一式に加え、着替えや、汚れた物を入れるビニール袋、そして症状を記録したメモやスマホの写真があると非常に助かります。
Q:家族内で流行している場合は? A:ご家族も同様の症状がある場合、感染力の強いノロウイルスやロタウイルスの可能性があります。診察時にご説明します。
参考文献
- 日本小児科学会:こどもの救急(おかあさんのための救急&予防)
- 日本小児消化器肝臓病学会:小児急性胃腸炎診療ガイドライン
- 厚生労働省:上手な医療のかかり方(お子さんの急な病気への対応)
